胃とは

胃とは

胃の構造
胃の長さは約20~30cmである。みぞおちで食道に次いで始まり(噴門)、下3分の2くらいのところ(胃角)で大きく右にカーブし右上腹部(幽門)より十二指腸に向かう。胃は食道の出口側より底部、体部、前庭部に分かれる。
胃の断面は、内側から「粘膜、粘膜下層、筋層、しょう膜下層、しょう膜」と5層になっている。

胃のしくみと働き
胃は消化管の一部である。胃は消化管の中で最も内腔が広く、壁も厚い。
胃の主な働きは一時的に食べ物を貯蔵し、胃酸と消化酵素を含む胃液で食べ物を吸収しやすい状態に消化することである。胃自体が消化されないように粘膜を保護する粘液も分泌している。

大腸とは

大腸の構造
大腸の長さは約1.5mである。右下腹部で小腸の出口から始まり、小腸を取り囲むように時計まわりにほぼ一周し、左下腹部より肛門に向かう。肛門から15cm程の部分を「直腸」、それ以外を「結腸」と呼ぶ。さらに、結腸は小腸の出口側より盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸に分かれる。
大腸の断面は、内側から「粘膜、粘膜筋板、粘膜下層、固有筋層、しょう膜下層、しょう膜」と6層になっている。

大腸のしくみと働き
大腸は消化管の一部である。口から入った食べ物は、咽喉、食道、胃、小腸、大腸の順で通り消化され、肛門より便として排出される。
大腸の主な働きは食べ物から体内に水分を吸収し、便をつくり、貯め、排出することである。また、大腸には100兆個以上の腸内細菌は生息しており、その中の「善玉菌」は消化・吸収を助けたり、腸粘膜の免疫を活性化する働きがある。

大腸がんは特に女性で増えている

1990年代半ばまでは、男女ともに大腸がんの罹患が毎年増加してきた。それ以降はほぼ横ばいとなっているが、1年に10万人以上が大腸がんと診断されており、4万人以上の方が大腸がんで亡くなっている。

がんの死亡数を発生部位別にみると(2009年)、大腸がんは男女合計で、肺がん、胃がんに次いで第3位だが、2015年ごろには第1位になると予測されている。男女別にみると、男性では肺がん、胃がんに次ぎ第3位だが、女性では2003年から第1位である。
がんの罹患数は(2005年)、大腸がんは男女合計で胃がんに次いで第2位。男女別にみると男性では胃がんに次ぎ第2位、女性では乳がんに次ぎ第2位である。罹患に関しても、男性が横ばい状態であるのに比し、女性では増加傾向にあり、その傾向は結腸がんにおいて顕著である。

大腸がんの発症は男女とも40~50歳代から増え始め、加齢とともに増加していく。大腸がんの罹患数は死亡数の約2.5倍で、これは大腸がんの性質が他の部位のがんと比べ良好であることを示している。

がんは誰にでも起こる身近な病気

国民の3人に1人ががんで亡くなる時代

一生涯のうち、がんと診断される確率は、男性で2人に1人、女性で3人に1人と推計される。現代ではがんは誰にでも起こる身近な病気である。
また、日本人の主な死因は1981年以降、脳血管疾患を抜いてがんがトップである。2001年以降、毎年30万人を超える人が、がんで亡くなっている。これは、日本人の死亡数の3分の1に相当する。

がんは誰にでも起きる遺伝子の異常からできる
人の体は60兆個の細胞からできている。新陳代謝により新たな細胞が生まれる際、遺伝子にコピーミスが生じがん細胞が生まれる。

がんは老化現象の一つ
遺伝子のコピーミスはコピーの回数が増えれば必然的に増える。年を重ねるほどがんになる人は増えるということだ。日本でがんが増加しているのは人口の高齢化が理由である。