データから考える有効ながん検診

データから考える有効ながん検診

①どの部位のがん罹患※が多いか(年齢による変化)より考える
男性では、40歳以上で消化器系のがん(胃、大腸、肝臓)の罹患が多くを占めるが、70歳以上ではその割合は減少し、前立腺がんと肺がんの割合が増加する。
女性では、40歳代では乳がん、子宮がん、卵巣がんの罹患が多くを占めるが、高齢になるほどその割合は減少し、消化器系のがん(胃、大腸、肝臓)と肺がんの割合が増加する。
以上より、男性は胃内視鏡、大腸内視鏡、腹部エコー検査を行い、胃がん、大腸がん、肝臓がんを積極的に検診すべきである。女性は乳がん、婦人科系がんの検診を積極的に受けるべきである。
※罹患:病気にかかること

②がん罹患率※(年齢による変化)より考える
男女とも50歳代くらいから増加し、高齢になるほど高い。
30歳代後半から40歳代で女性が男性よりやや高く、60歳代以降は男性が女性より顕著に高い。
男性は40歳代よりがん検診を、女性は30歳代後半からマンモグラフィーを含むがん検診を積極的に受けるべきである。
※罹患率;1年間に人口10万人あたり何例がんと診断されるか

③がんに罹患する確率(累積罹患リスク)より考える
累積罹患リスクとは…ある年齢までにある病気に罹患する(その病気と診断される)おおよその確率
生涯でがんに罹患する確率は、男性54%(2人に1人)、女性41%(2人に1人)。
部位別では男性では、胃がんは9人に1人、大腸がんは12人に1人、肺がんは12人に1人。女性では、大腸がんは15人に1人、乳がんは16人に1人、胃がんは18人に1人。
男性は胃内視鏡、大腸内視鏡、胸部CT検査を、女性は大腸内視鏡、胃内視鏡、マンモグラフィーを検診の項目として加えるべきである。