カプセル内視鏡

カプセル内視鏡

とよしまクリニックではカプセル内視鏡が必要な方に東大附属病院消化器内科への紹介を開始致しました。

カプセル内視鏡とは

カプセル内視鏡は長さ26mm、直径11mmの飲み込む内視鏡である。
超小型カメラを内蔵し、消化管の内側を1秒間に2枚撮影し、体外に取り付けた受診装置に画像を送信する。
通常の胃カメラ、大腸内視鏡で、観察ができない小腸を中心に観察する内視鏡である

費用
保険適応で自己負担は約3万円
保険適応は原因不明の消化管出血(事前に胃カメラ、大腸内視鏡検査を要する)

適応と禁忌
適応:貧血
禁忌:消化管閉塞、狭窄、ペースメーカー、嚥下障害、妊娠

検査手順
8時間前からの絶食
ユニットの取り付け
カプセル内視鏡を水で飲む。
その後普段通りの生活が可能。
4時間は絶食
8時間後ユニットを取り外す。
カプセルはトイレで自然に排泄されるが、そのまま流さず患者自身がキットを用い回収する。
検査終了

メリット・デメリット(通常の内視鏡検査と比べ)
メリット:簡易で、苦痛を伴わない。小腸の観察が可能である。
デメリット:画像が粗い。手術、組織採集ができない。

食道がんについて

定期的な胃カメラで、食道がんを早期に発見しましょう。

①食道がんとは
食道に発生したがんを指す。ほとんどが扁平上皮がんであるが、まれに腺がんもある。欧米では腺がんが増加傾向にあるが、日本での腺がんの割合は約2%と少ない。
60歳より加齢とともに発生率は増え、高齢者に多い。男性は女性の約5倍と多いのも特徴である。

②食道がんの危険因子
喫煙、飲酒、熱い飲食物の摂取、Barrett食道が関連するといわれている。胃がん、頭頚部がんの患者は発生率が高い。
③ 食道がんの症状
食道のつかえ感(嚥下障害)、しみる感じなどの違和感、食道痛などがある。が、早期がんであれば、ほとんどの場合症状はない。
④食道がんの検査
食道がんは早期に発見することが最重要であり、また、そのためには、定期的な胃カメラ(胃内視鏡検査)を受けることが必要である。早期の食道がんの発見には、バリウム検査はほとんど無力である。可能であれば、内視鏡もハイビジョン内視鏡、NBI内視鏡システムで受けることを勧める。
当院では苦痛の少ない内視鏡を心がけており、通常、見落としがちな、早期食道がんの発見にも力を注いでいます。

⑤食道がんの治療
内視鏡的切除、外科的開胸開腹手術、抗がん剤治療、放射線治療と大きく4つに大別される。内視鏡的切除が、最も好ましい治療方法だが、ごく早期の場合に限り適応となる。そのため、早期に発見することがやはり重要である。

NBI内視鏡とは

①NBIとは
NBIとはnarrow band imagingの略である。内視鏡スコープの操作部についたボタンを押し、特殊な光(狭帯域光=スペクトル幅の狭い光)を内視鏡の先端より発することにより、粘膜の模様を強調する画像を得る観察方法である。通常の光による観察に加え、スクリーニング検査の際にも簡易に切り替えて使用することができる。早期がんや、ポリープなどの診断に有効である。
当院はNBI内視鏡システムを設備しております。

②胃カメラにおけるNBIの役割
食道早期がんの発見に大きく貢献。
従来は、早期食道がんの診断はヨードによるの色素撒布法が用いられていた。食道の色素撒布にはチューブを挿入する必要があり、通常の観察で病変が認められた場合のみに行われていた。NBIの場合はボタンひとつで切り替えられるため、通常のスクリーニング内視鏡検査の際も可能であるため、早期食道がんの発見に大きく貢献していると考えられる。
表在性食道がんの90%はNBIでbrownish areaとして捉えることができる。

③大腸内視鏡におけるNBIの役割
大腸ポリープの種類を鑑別するのに有効
大腸良性ポリープの中で、腺腫はNBIでbrownishに、そして過形成性ポリープはbrownishではなく捉えられることが多い。腺腫は切除する、また、過形成性ポリープは経過観察するものなので、NBIによる観察は切除するべきかどうかの判断材料となる。
大腸内視鏡では、NBI法も有効だが、早期がんや腺腫の発見率を向上させるという意味において、従来のインジコカルミン色素撒布による色素内視鏡法も大変重要な検査方法であることは強調しておきたい。