World Journal of Gastrointestinal Endoscopy

World Journal of Gastrointestinal Endoscopy

World Journal of Gastrointestinal Endoscopy に論文がアクセプトされました。

Title: 『Impact of looping on premalignant polyp detection during colonoscopy』

Authors:  Osamu Toyoshima, Toshihiro Nishizawa, Shuntaro Yoshida, Tatsuya Matsuno, Toru Arano, Ryo Kondo, Kazunori Kinoshita, Yuki Yasumi, Yosuke Tsuji, Mitsuhiro Fujishiro


 

公開となりましたらご報告いたします。WJGE-14-694_000005

↑ 11月14日 公開となりました。ご高覧頂けると幸いです。

https://www.wjgnet.com/1948-5190/full/v14/i11/694.htm

World Journal of Gastroenterology(インパクトファクター5.742)

2022年5月に World Journal of Gastroenterology (Impact Factor :5.742) からアクセプトされました院長豊島の論文をご紹介します。

『Brown slits for colorectal adenoma crypts on conventional magnifying endoscopy with narrow band imaging using the X1 system. 』World J Gastroenterol 2022; 28(24): 2748-2757

本論文はオリンパス製最新内視鏡システムX1を使用すると、今までは顕微鏡内視鏡スコープEndocytoscope(超拡大内視鏡500倍)でしか観察できなかったポリープ表面の構造が通常の拡大内視鏡スコープ(約100倍拡大)でも観察できるようになったことを報告しました。

画像

この写真は大腸癌の前癌病変である腺腫ですが、Aに示すように、NBI(narrow band imaging)観察で腺窩と呼ばれる場所に茶色いすじ(Bのピンクの部分)が観察できます。これをBrown slitと命名しました。Brown slitが観察されると高い確率で腺腫であることを示しました。

最新テクノロジーは診断学を日々向上させています。日々の診療で新たな発見を目指しています。

こちらからご覧いただけます。ご高覧頂けますと幸いです ↓

https://www.wjgnet.com/1007-9327/full/v28/i24/2748.htm

 

World Journal of Gastroenterology – Baishideng Publishing Group

消化器病国際学術誌、

WJG(World Journal of Gastroenterology)のカバーパーソンに選ばれました。

World Journal of Gastroenterology   impact factor: 5.742

『World Journal of Gastroenterology Weekly Volume 28 Number 33 September 7, 2022』

https://f6publishing.blob.core.windows.net/dfc58eb7-41b7-4182-962e-edde88b27e6f/WJG-28-4744.pdf

上記URLをクリックいただけるとご覧いただけます。ご高覧いただけると幸いです。

 

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内視鏡検査に関する『よくあるご質問』③

先日の取材、「あさイチ」(NHK総合)さんでお話した内容をより詳しく、また、内視鏡検査に関する『よくあるご質問』をまとめました。ぜひご参照ください。

 

Q 「大腸内視鏡、症状がないのでやらなくていいと思うのですが?」

A 症状がないからやらなくていいと思っている人が多いですが、がんは症状が出てからでは手遅れのことが多いです。大腸がんの場合、出血や便が細くなるといった症状がありますが、このような症状は進行大腸がんの症状です。根治が可能な早期がんは症状が全くないことがほとんどです。症状がないというのは大変進行したがんがないという目安にはなりますが、早期がんがないという根拠にはなりませんので、症状がないから検査をしなくていいという考えには大きな問題があります。

がん検診は症状が出る前がチャンスです。一定の年齢が来たらやった方が良いです。

 

Q 「いつから大腸内視鏡をやったら良いでしょうか?」

A 日本には大腸内視鏡を公的検診で受けられるシステムはまだありませんが、米国、英国(NHS Bowel cancer screening)にはあります。米国では50歳、英国では55歳で大腸内視鏡を受けることができますが、45歳から検診を受けることが米国がん学会で推奨されています[4]。大腸がんの家族歴がある人はその家族が大腸がんになった年より10歳若い時点で検診を受けた方が良いともされています。

図に当院で前がんポリープである腺腫が発見される確率を年代、性別に示しました[6]。大腸腺腫は年齢と共に発見される確率が上がります。腺腫を内視鏡の際に取り除くことで大腸癌を予防することができます[1-3]。40歳代で4割の方に腺腫が発見されていますので、私共は40歳から大腸内視鏡を受けるよう推奨しています。また、30歳代でも2割以上の方が腺腫を持っています。生涯で大腸がんになる人は男性で10%、女性で7%です。30歳代から腺腫を持っている2割の方は将来大腸がんになる可能性が高いと考えられます。そのため、私は、大腸がんの家族がいる方はがんの危険が高いので、30歳代から大腸内視鏡をやった方がいいと考えています。

 

 

日本の大腸内視鏡

参考文献:

[1] Winawer SJ, Zauber AG, Ho MN, O’Brien MJ, Gottlieb LS, Sternberg SS, et al. Prevention of colorectal cancer by colonoscopic polypectomy. The National Polyp Study Workgroup. The New England journal of medicine. 1993;329:1977-81.

[2] Zauber AG, Winawer SJ, O’Brien MJ, Lansdorp-Vogelaar I, van Ballegooijen M, Hankey BF, et al. Colonoscopic polypectomy and long-term prevention of colorectal-cancer deaths. The New England journal of medicine. 2012;366:687-96.

[3] Nishihara R, Wu K, Lochhead P, Morikawa T, Liao X, Qian ZR, et al. Long-term colorectal-cancer incidence and mortality after lower endoscopy. The New England journal of medicine. 2013;369:1095-105.

[4] Wolf AMD, Fontham ETH, Church TR, Flowers CR, Guerra CE, LaMonte SJ, et al. Colorectal cancer screening for average-risk adults: 2018 guideline update from the American Cancer Society. CA: A Cancer Journal for Clinicians. 2018;68:250-81.

[6] 豊島 治, 西澤 俊, 崎谷 康, 高橋 由, 吉田 俊. 無床施設でのポリープ摘除の実際(2)無床施設でのポリープの取り扱い 大腸内視鏡検査の質向上のための工夫. 臨牀消化器内科. 2019;34:1155-9.

内視鏡検査に関する『よくあるご質問』②

先日の取材、「あさイチ」(NHK総合)さんでお話した内容をより詳しく、また、内視鏡検査に関する『よくあるご質問』をまとめました。ぜひご参照ください。

 

Q 大腸内視鏡検査は、うまい先生にやってもらったほうが痛くない!と聞いたことがあるんですが、本当ですか?

A その通りです。大腸内視鏡は大腸の奥までスコープを入れるのが、慣れていないと難しいですので、上手い内視鏡医にやってもらった方が痛くないです。

但し、上手い内視鏡医がやっても、腸が伸びてしまう人や、狭くなっている人、敏感な人は鎮静をしないと痛いです。鎮静も含めて、痛みを減らしてもらうといいです。

1万例以上の大腸内視鏡の経験があると、相当上手だと思います。(参考:院長は3万件以上です)

痛みがないことはとても大事ですが、きちんと病気を見つけるといった点を大事にしている内視鏡医が本当にうまい内視鏡医です。(ここ大事です!)

 

Q 「大腸内視鏡の知識がないです。やる必要性やメリットが分からないです。」

A 大腸内視鏡は大腸がんを発見するだけでなく早期がんであれば内視鏡で摘除することが可能です。また、大腸がんは良性のポリープががん化して発生することがほとんどですが、大腸内視鏡はこのがん化する前のポリープを発見し、摘除することができます。こうすることにより多くの大腸がんは予防できることが証明されています[1-3]。よって、大腸内視鏡は大腸がんを発見、治療、予防することができる素晴らしい検査なのです。

大腸がんは、日本では、なる人の一番多いがんです。なくなる方も肺がんに次いで2番目に多いです。女性に限ると、なるがんの中では乳癌に続き2番目に多いがんであり、なくなる人の中では1番多いがんです(https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html)。女性にとっても男性にとっても大腸がんは重要な位置を占めています。

がん羅漢数

がん死亡数

WHOの国際がん研究期機関(IARC)の情報によると、表のように、日本の大腸がん死亡率(全年齢、年齢調整)は2000年には男女ともに米国より高くなっています。米国では今世紀初頭の10年で30%の大腸がん罹患率減少を達成しており、米国の大腸がん死が減った主な理由は検診による前がんポリープの摘除、あるいは、がんの早期発見のためと報告されています[4]。米国では、大腸がん検診に直接大腸内視鏡をやる選択肢が含まれており、また、50歳以上の6割が受診しています。一方、日本では便潜血検査のみが行われており、受診率は4割にとどまります。このような差が、日本では大腸がんでなくなる方が多いことの原因となっている可能性があります。米国では、大腸がんは、以前は富裕層に多かったが、最近は検診受診率の低い貧困層に多い病気になっているとも指摘されています[5]。

大腸内視鏡の大切さがわかります。

日米大腸がん死亡率

(豊島. 内視鏡スクリーニングPractice & Atlas, 南江堂より作成)

参考文献:

[1] Winawer SJ, Zauber AG, Ho MN, O’Brien MJ, Gottlieb LS, Sternberg SS, et al. Prevention of colorectal cancer by colonoscopic polypectomy. The National Polyp Study Workgroup. The New England journal of medicine. 1993;329:1977-81.

[2] Zauber AG, Winawer SJ, O’Brien MJ, Lansdorp-Vogelaar I, van Ballegooijen M, Hankey BF, et al. Colonoscopic polypectomy and long-term prevention of colorectal-cancer deaths. The New England journal of medicine. 2012;366:687-96.

[3] Nishihara R, Wu K, Lochhead P, Morikawa T, Liao X, Qian ZR, et al. Long-term colorectal-cancer incidence and mortality after lower endoscopy. The New England journal of medicine. 2013;369:1095-105.

[4] Wolf AMD, Fontham ETH, Church TR, Flowers CR, Guerra CE, LaMonte SJ, et al. Colorectal cancer screening for average-risk adults: 2018 guideline update from the American Cancer Society. CA: A Cancer Journal for Clinicians. 2018;68:250-81.

[5] Siegel RL, Miller KD, Jemal A. Cancer statistics, 2019. CA: A Cancer Journal for Clinicians. 2019;69:7-34.

 

内視鏡検査に関する『よくあるご質問』①

先日の取材、「あさイチ」(NHK総合)さんでお話した内容をより詳しく、また、内視鏡検査に関する『よくあるご質問』をまとめました。ぜひご参照ください。

 

Q 胃カメラは鼻と口、どちらから行うのが良いか?

A 鎮静剤を使える場合、鎮静剤を使い、通常の太さのスコープで口から行うと、苦痛を減らすことができ、かつ精度の高い検査ができるので、口からの検査を勧めます。

しかし、副作用などで鎮静剤を使うことができない場合は、鼻から細いスコープで行っても十分観察はできます。

また、病気を詳しくみる場合やポリープをとる手術をする場合は、通常の太さのスコープで口から行います。

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Q 胃カメラの際、のどの麻酔だけやって受けたら、逆流して、すごく苦しかった。全身麻酔は体に負担になると思いますが、どんな麻酔がいいですか?

A 内視鏡の時の麻酔(鎮静)は注射や点滴で薬を入れます。薬の作用で意識がボーとしている状況、あるいは、全く眠っている状況で検査を受けることができます。多くの方が楽に検査を受けられます。年齢や、性別、体格などに応じて鎮静の方法を決めます。体制が整っている医療施設でしたら安全に検査が受けられます。

(全身麻酔というのは呼吸を止めて、人工呼吸器を使用し、深く麻酔することですので、内視鏡の時の麻酔(鎮静)は全身麻酔という言い方はしないです。)

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第28回日本ヘリコバクター学会学術集会

– シンポジウム2  背景粘膜に応じた胃炎・胃癌内視鏡診断の進歩 –

『S2-7 京都分類に基づく内視鋭的背娯肯炎に応じた胃癌の質的診断』

豊島治1、吉田俊太郎1、西澤俊宏2、崎谷康佑3、渡邉英伸4、藤城光弘5、鈴木秀和6

1とよしま内視鋭クリニック、2国際医療輻祉大学成田病院 消化器内科、3さきたに内科・内視鏡クリニック、4PCLジャパン病理・細胞診センター、5東京大学 消化器内科、6東海大学 消化器内科

講演してまいりました。大変勉強になりました!!

2022年6月25日

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「あさイチ」(NHK総合)

院長 豊島治がスタジオにて生出演致します!

ぜひご覧ください!!

                                      

【番組名】 「あさイチ」(NHK総合)

【テーマ】 「健康診断のお悩み解消SP!」

【放送日時】 2022年7月6日(水)8:15~9:54

同時に海外に配信する国際放送、NHKプラスでの同時・見逃し配信、NHKオンデマンドでの見逃し配信も行います。

番組ホームページ  https://www.nhk.jp/p/asaichi/ts/KV93JMQRY8/episode/te/Q32443GV1R/

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「全結腸色素内視鏡」は内視鏡検査の精度を上げる

インジゴカルミンという色素を大腸全体にまく大腸内視鏡を、「全結腸色素内視鏡」といいます。インジゴカルミンを散布すること粘膜の凹凸をより明瞭化させます。

そのため、「全結腸色素内視鏡」は、僅かな凹凸しかない微小病変を発見することができます。2011 年に、大腸腺腫の発見率を向上させると、報告されました(文献1)。私どもも2018年に、色素内視鏡により40%以上の見逃しを予防することができることを報告しております(文献2)。

私どもの施設でも「色素内視鏡」を長年行っておりますが、「色素内視鏡」は特に平らな形の腺腫を確実に発見することができます。腺腫の中でも平らな形のものは、 がん化のリスクが高いと分かっていますので、「色素内視鏡」は大変有用な検査です。

インジゴカルミンは小さな容器で市販されています。そのため、なかなか、大腸全体にまくことができないのですが、私共の施設ではインジゴカルミンを自家製で作っていますので、大腸全体にまくことができるのです。

当院の医師は病気の発見率を高められるように、日々精度の高さにこだわって検査をしております。「色素内視鏡」もその一つです。定期的に医師会・勉強会・講演会を行い、意識・情報を共有化することで内視鏡の精度管理を徹底しております。

病気を早期発見できれば、患者さんが少しでも幸せになれると信じております。

大腸腺腫とは悪性化するとがんになるポリープの一種、前がん病変。

文献1. Gut. 2011 Apr;60(4):485-90. doi: 10.1136/gut.2010.229534. Pancolonic chromoendoscopy with indigo carmine versus standard colonoscopy for detection of neoplastic lesions: a randomised two-centre trial. Jürgen Pohl他

文献2. Gut. 2018 Sep;67(9):1742-1743. doi: 10.1136/gutjnl-2017-314999. New-generation chromoendoscopy may increase confidence in the DISCARD2 study. Osamu Toyoshima他

第103回日本消化器内視鏡学会総会

第103回日本消化器内視鏡学会総会、シンポジウム 
5月13日~5月15日 京都

西澤 俊宏先生(水曜日ご担当)、吉田 俊太郎 副院長(金・土曜日担当)、院長が講演してまいりました。

 

シンポジウム :新型コロナウイルス蔓延下における消化器内視鏡、5月13日、京都

吉田俊太郎、西澤俊宏、豊島治

『COVID-19蔓延下における便潜血免疫法による大腸内視鏡の優先付け』

                                                

ワークショップ: 内視鏡検査・周術期管理のピットフォールと標準化、5月13日、京都

西澤俊宏、吉田俊太郎、豊島治

『内視鏡検査後の在院遅延の危険因子』

                                                

シンポジウム:上部消化管の内視鏡診断の最近の知見、5月14日、京都

豊島 治、吉田俊太郎、西澤俊宏

『内視鏡的・胃噴門部鳥肌様所見の pylori 感染を含む臨床的特徴』

                                                

パネルディスカッション:大腸内視鏡スクリーニングにおける工夫と課題、5月15日、京都

吉田俊太郎、西澤俊宏、豊島治

『Feedback による腺腫および鋸歯状ポリープ発見率の向上』

                                                

ワークショップ:大腸腫瘍に対する内視鏡診断・治療の将来展望、 5月15日、京都

豊島治、吉田俊太郎、西澤俊宏

『Texture and color enhancement imaging(TXI)による大腸ポリープの視認性』