内視鏡検査に関する『よくあるご質問』③-1

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内視鏡検査に関する『よくあるご質問』③-1

先日の取材、「あさイチ」(NHK総合)さんでお話した内容をより詳しく、また、内視鏡検査に関する『よくあるご質問』をまとめました。ぜひご参照ください。
Q 「大腸内視鏡、症状がないのでやらなくていいと思うのですが?」
A 症状がないからやらなくていいと思っている人が多いですが、がんは症状が出てからでは手遅れのことが多いです。大腸がんの場合、出血や便が細くなるといった症状がありますが、このような症状は進行大腸がんの症状です。根治が可能な早期がんは症状が全くないことがほとんどです。症状がないというのは大変進行したがんがないという目安にはなりますが、早期がんがないという根拠にはなりませんので、症状がないから検査をしなくていいという考えには大きな問題があります。
がん検診は症状が出る前がチャンスです。一定の年齢が来たらやった方が良いです。
図に当院で前がんポリープである腺腫が発見される確率を年代、性別に示しました[6]。大腸腺腫は年齢と共に発見される確率が上がります。腺腫を内視鏡の際に取り除くことで大腸癌を予防することができます[1-3]。40歳代で4割の方に腺腫が発見されていますので、私共は40歳から大腸内視鏡を受けるよう推奨しています。また、30歳代でも2割以上の方が腺腫を持っています。生涯で大腸がんになる人は男性で10%、女性で7%です。30歳代から腺腫を持っている2割の方は将来大腸がんになる可能性が高いと考えられます。そのため、私は、大腸がんの家族がいる方はがんの危険が高いので、30歳代から大腸内視鏡をやった方がいいと考えています。
参考文献:
[1] Winawer SJ, Zauber AG, Ho MN, O’Brien MJ, Gottlieb LS, Sternberg SS, et al. Prevention of colorectal cancer by colonoscopic polypectomy. The National Polyp Study Workgroup. The New England journal of medicine. 1993;329:1977-81.
[2] Zauber AG, Winawer SJ, O’Brien MJ, Lansdorp-Vogelaar I, van Ballegooijen M, Hankey BF, et al. Colonoscopic polypectomy and long-term prevention of colorectal-cancer deaths. The New England journal of medicine. 2012;366:687-96.
[3] Nishihara R, Wu K, Lochhead P, Morikawa T, Liao X, Qian ZR, et al. Long-term colorectal-cancer incidence and mortality after lower endoscopy. The New England journal of medicine. 2013;369:1095-105.
[6] 豊島 治, 西澤 俊, 崎谷 康, 高橋 由, 吉田 俊. 無床施設でのポリープ摘除の実際(2)無床施設でのポリープの取り扱い ― 大腸内視鏡検査の質向上のための工夫. 臨牀消化器内科. 2019;34:1155-9.
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