大腸がんを見逃さないために大腸腺腫の発見率を高めます

大腸ポリープをきちんと発見する医師は大腸がんの見落としが少ない

2010年にまた、NEJMですが、内視鏡の際大腸腺腫の発見率が高い医師による見逃しがん(interval cancer)は少ないと報告されました。

これは至極当然の話なのですが、大腸腺腫は大腸がんより一般的には小さな病変です。この腺腫を高率に見つけている医師は、その後見逃しがんが見つかってくる確率が低いというものです。腺腫を切除することが大腸がんを予防するため、当院では様々な工夫をして大腸腺腫の発見率を上げるよう努力をしております。

そうして、大腸腺腫の発見率を上げることが大腸がんの見逃しのない検査にもつながっているのです。
大腸内視鏡検査を受けるなら、腺腫発見率の高い医師の検査を受けることをお勧めします。

大腸内視鏡の挿入は素早く、抜去は丁寧に時間をかけてすると良い

再びNEJMです。2006年に大腸内視鏡の観察時間は6分以上かけるとそれ以下の場合より大腸腺腫の発見率が高いということが報告されました。これも当たり前に思えます。

大腸内視鏡は一度、盲腸までスコープを挿入し、それから観察をしながら抜いてくる方法が一般的です。スコープを盲腸まで挿入する手技が困難な検査なため、胃内視鏡に比べ難易度の高い検査と考えられています。挿入にかかる時間短い医師ほど検査が上手なことが多いと考えられていますが、この論文にも示されたように、大切なのは挿入時間が短いことではなく、その後スコープを抜く際に時間をかけ丁寧に観察することなのです。

例えば、15分で挿入し5分で観察するのではなく、5分で挿入し15分間観察するのが良いということです。腺腫の発見率の高い大腸がんの見逃しが少ない検査とは抜くときに丁寧に時間をかけてする検査なのです。

色素法・大腸内視鏡により精度が上がる

大腸内視鏡の際、インジゴカルミンという色素を大腸全体にまくことで大腸腺腫の発見率を向上させることができると2011年にGutに報告されました。

前述しましたように、腺腫の切除が大腸がんを予防する、そのため腺腫を発見することは重要である。その腺腫を高率に発見するために我々は努力をしていますが、この色素を大腸全体にまくという方法により、この論文だけでなく、当院でも腺腫発見率の向上につながったという結果が出ております。

当院では右側結腸(盲腸、上行結腸、横行結腸)の扁平な腺腫性ポリープの発見率が向上しるという結果が出ました。大腸がんの予防、そして見逃し防止のため、この方法は未だ一般的な方法ではありませんので、今後普及していきたいと思います。

家族歴のある人は要注意

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