共同通信・夕刊

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「手術できなくなるかも」
内視鏡トップ、医師懸念

 損失隠し問題で揺れるオリンパスは、消化器系内視鏡のトップメーカーだ。同社によるとシェアは国内、海外とも7割を占める。問題が尾を引き市場での信頼をさらに失えば、資金繰り悪化などで製品供給やメンテナンスが滞る恐れも。医師からは「検査や手術ができなくなるのでは」と懸念する声も出ている。
 「万が一、部品の供給が止まって交換や修理ができなくなったら、多くの医療機関で手術や検査に空白期間が生じる。がんの発見も遅れることになる」。内視鏡を使った検査を年間約4千件、手術も約千件実施する「とよしまクリニック」(東京)の豊島治(とよしま・おさむ)院長は心配する。
 関係者によると、オリンパスのシェアが高い医療機器には腹腔(ふくくう)鏡や手術用顕微鏡などもあるが、内視鏡については、その原型となった胃カメラを同社が最初に開発したこともあり、他社製品が出ればすぐに改良品で対抗するなどオリンパスが圧倒的なシェアを誇ってきたという。
 岡山大病院光学医療診療部の河原祥朗(かわはら・よしろう)医師は「オリンパスは内視鏡本体だけでなく、消毒洗浄器や内視鏡検査の器具など関連製品をほぼ網羅する大企業」と指摘。
 今回の問題について「単なる工業製品ではなく、医療機器を作っているという自覚を持つべきだった。部品の供給が止まれば、日本だけでなく世界の患者に迷惑がかかる。そういうことがないよう関係者は配慮してほしい」と話した。

共同通信社社会部