World Journal of Gastroenterology (Impact Factor :3.340) 

World Journal of Gastroenterology (Impact Factor :3.340) 

2020年9月に World Journal of Gastroenterology (Impact Factor :3.340) から出版されました当院からの論文をご紹介します。

研究課題

『「胃炎の京都分類」による内視鏡所見と病理学的好中球活動の胃内分布の関連性』

著者名

豊島治、西澤俊宏、吉田俊太郎、坂口賀基、中井陽介、渡邉英伸、鈴木秀和、谷川千津、松田浩一、小池和彦

研究概要

背景

「胃炎の京都分類」は2014年に日本消化器内視鏡学会にて提唱された。京都分類による内視鏡所見は萎縮、腸上皮化生、皺襞腫大、鳥肌、びまん性発赤からなる。それらをスコア化した京都スコアは、多くある胃炎の分類を統一し、スコア化した点で価値の高い基準である。また、そのスコアは胃癌のリスクと関連していることが報告されている。一方、病理学的胃炎分類であるUpdated Sydney scoreの好中球活動の胃内分布は胃癌のリスクと関連していることが既知である。内視鏡診療上、内視鏡所見から病理学的な胃癌リスクを評価できることは有用であるが、内視鏡的所見と病理学的所見との関連性については不明な点がおい。そのため、本研究はそれを調査した。

方法

京都スコアは萎縮(木村竹本分類により0-2点に)、腸上皮化生(及ぶ範囲が胃前庭部、胃体部により0-2点に)、皺襞腫大(なし/ありで0/1点に)、鳥肌(なし/ありで0/1点に)、びまん性発赤(程度により0-2点に)からなりスコア化される。それらの総計である京都総スコアは0-8点となる。高い京都総スコアは胃癌リスクと関連している。胃体部と前庭部から採収した粘膜を病理学的にUpdated Sydney scoreを用い、その地勢学的分布から①非活動性、②前庭部優位性活動性、③汎活動性、④体部優位活動性に分類した。①<②<③<④の順に胃癌リスクが高い。

年齢、性別、body mass index、飲酒、喫煙、胃癌家族歴、血清ピロリ菌抗体、京都スコアが病理学的好中球活動の胃内分布に及ぼす影響を調査した。

結果

327人(女性50.7%、平均50.2歳)が登録された。血清ピロリ菌抗体陽性が82.9%、平均京都総スコアが4.63だった。萎縮、腸上皮化生、皺襞腫大、鳥肌、びまん性発赤の全ての京都スコアは病理学的好中球活動の胃内分布と関連していた。京都総スコアは①非活動性、②前庭部優位性活動性、③汎活動性、④体部優位活動性の順に3.03,4.57,5.21、5.96と上昇した。多変量解析にて高齢、血清抗ピロリ菌抗体陽性、京都総スコアが独立して病理学的好中球活動の胃内分布と関連していた。

結論

内視鏡的分類である京都スコアは病理学的胃癌リスクと関連していた。臨床診療上、内視鏡所見から病理学的胃癌リスクを評価できることは有用である。

論文題名

Endoscopy-based Kyoto classification score of gastritis related to pathological topography of neutrophil activity

雑誌名

World Journal of Gastroenterology

発行年 2020 巻数 34 ページ数 5146-5155