当院にご勤務頂いている西澤先生(水曜日:胃・大腸内視鏡担当)が、JDDW 2020 KOBEにて誌上発表されました。
2020年11月7日
デジタルポスターセッション
大腸鏡におけるベルト型腹部圧迫デバイスの効果:メタ解析 |
【背景および目的】大腸鏡におけるベルト型腹部圧迫デバイスの効果を検討したランダム化比較試験がいくつかあるが,結果は一貫していない.最近我々もランダム化比較試験を実施したが,腹部圧迫ベルトは挿入時間を短縮する傾向にあるものの,統計学的有意差には達しなかった(P=0.069, JGH open, 1-5, 2019).今回我々は,大腸鏡における腹部圧迫ベルトの効果を検討したランダム化比較試験についてメタ解析を行った.【方法】PubMed, Cochrane Library,Web of Science,医学中央雑誌において“大腸鏡”および“コルセット,包帯もしくは腹部圧迫デバイス”の検索ワードを用いて論文検索を行い,その中から適切なランダム化比較試験を精選した.選択基準を満たした研究データから,挿入時間の加重平均差,および体位変換と腹部圧迫の頻度における統合オッズ比を変量効果モデルで算出した.【結果】ランダム化比較試験5件が採択された.ベルト型腹部圧迫デバイスはコントロールに比較して有意に挿入時間を減少させた(加重平均差 -1.31, 95%信頼区間: -2.4~-0.23, P=0.02).ベルト型腹部圧迫デバイスはコントロールに比較して有意に体位変換の頻度を減少させた(統合オッズ比 0.30, 95% 信頼区間: 0.22~0.41, P < 0.001).また,ベルト型腹部圧迫デバイスは有意に腹部圧迫の頻度を減少させた(統合オッズ比 0.35, 95% 信頼区間: 0.17~0.70, P = 0.003).【結論】ベルト型腹部圧迫デバイスは大腸鏡挿入時間および腹部圧迫の頻度を減少させる.