2018年1月にJournal of Clinical Biochemistry and Nutrition(インパクトファクター2.190)から出版されました当院からの論文をご紹介します。
Title:『Pethidine dose and female sex as risk factors for nausea after esophagogastroduodenoscopy』
(ペチジンの用量と女性は上部消化管内視鏡後の悪心の危険因子)
Authors: T, Suzuki H, Arita M, Kataoka Y, Fukagawa K, Ohki D, Hata K, Uraoka T, Kanai T, Yahagi N, Toyoshima O
Journal of Clinical Biochemistry and Nutrition DOI: 10.3164/jcbn.18-5
要旨
上部消化管内視鏡後の悪心嘔吐は詳細に検討されていない。本研究の目的は内視鏡後の悪心の危険因子の評価である。我々はとよしま内視鏡クリニックにおいてケース・コントロール研究を行った。我々は18人の内視鏡後の悪心を呈した患者と190人の内視鏡後悪心を呈さなかった患者を解析した。我々は単変量と多変量ロジスティック回帰解析を以下の項目について行った;年齢、性別、身長、体重、日常的な向精神薬使用、ミダゾラム(ベンゾジアゼピン;催眠鎮静剤)・ペチジン(麻薬)・フルマゼニル(ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤)・ナロキソン(麻薬拮抗剤)の使用量。単変量解析では、内視鏡後の悪心は年齢(オッズ比0.95)、女性(オッズ比11)、体重(オッズ比0.98)、体重当たりのペチジン(オッズ比53)・ナロキソン(オッズ比1.7)・フルマゼニル(オッズ比1.3)の使用量が有意に関連していた。多変量解析では、体重当たりのペチジン使用量(オッズ比22, P=0.005)と女性(オッズ比13, P=0.047)が独立して内視鏡後悪心に関連する因子であった。上部消化管内視鏡後悪心の罹患率は0.49%(18人/3654人)であった。結論として、内視鏡後の悪心はペチジンの用量と女性に関連していた。